音無サノトの空想録

人生何も考えてない人の描く漫画

自分の好きなアイドルが大人たちに壊される様な気がした

ナナニジファンをやめます。

 

いきなり、コイツ何言い出すんだって感じだが個人的には人生の岐路てきな選択。本当に今年の個人的な大ニュース。

 

ナナニジとは自分が好きアイドルグループの通称。

アニメキャラと声優がリンクして、さらにVTuberとかでも活動しているといったグループだ。アニメ化することも発表されており、2020年1月にアニメが放送する。

 

私はナナニジのファンだった。

今までも何度かブログの記事にしたり、イラストを描いたりして応援してた。

 

でも、やめる。

 

ナナニジのライブに行くまで、音楽ライブというのを行ったことがなかったのだけど、ナナニジのおかげで初めてライブの楽しさを知った。

ペンライトを振って彼女たちを応援する楽しさを知った。

 

でも、やめる。

 

ナナニジをきっかけに、初めてオフ会にも行ったし、ネットで知り合った人たちと交流することもできた。それもすごく楽しかった。

 

でも、やめる。

 

きっかけは2019年のアニバーサリーライブ。

ナナニジの2周年を記念した大きなライブだった。私は幸運にもチケットが当たったため、そのライブに行けた。私はこの日をとても楽しみにしていた。きっと素晴らしい日々になると。。。

 

以前のブログにも書いたが、私がナナニジというアイドルグループを知ったのは、たまたまリサイクルショップで流れてた彼女たちの曲がきっかけだ。

一瞬だけ流れた曲だったが、それが自分の琴線に触れた。鳥肌が立つくらい好みの曲だった。

 

私はその曲が気になって、家に帰宅した後にネットで血眼になってその曲を探した。でも見つけられなかった。まだ名前も知らないアイドルグループで、たった一瞬だけ流れたために歌詞も覚えていない。

情報量が少なすぎて探しきれなかった。どことなく、心には引っかかっていたが、どうしようないから探すのを諦めた。

 

そんなある日。何のアニメかは忘れたが、録画したアニメをぼーっと見ていてCMに入ったとき、探してたその曲が流れた。すごく驚いた。衝撃すぎて、2年前のことだが昨日の様に覚えている。

そのCMがナナニジのデビューシングル「僕は存在していなかった」のCMだった。

Amazonですぐにその曲を探したが、まだ発売日前だった。もう明日にでも自分のスマホに入れて聞きたかったのだがしょうがない。予約注文だけして届くのを待った。

 

アニメやらアイドルやらのCDによくありがちなのが、同じ曲でも特典が別で、バージョンが違うというやつだ。そのCDも同様にタイプA、Bと2つのバージョンがあった。

今までの自分は曲が好きなために特典になんか興味がなかった。だから1つのバージョンしか買わなかった。ただ、ナナニジには運命的なものを感じていたので、初めてどちらのバージョンも購入した。

自分はファンになるなと、そのとき直感していたのだ。

 

CDが届くまではデビューシングルの「僕は存在していなかった」を公式YoutubeのPVで何度も繰り返し聴いていた。自分は一度好きになった曲はずっと聴き続けるということをよくする。

その時の自分にとって「僕は存在していなかった」は最高の1曲だった。CDが届くのを待ち遠しく思いながら、何度も映像を見ていた。

 

そしてCDが届いたその日に、すぐスマホに入れて出勤するときも、帰宅するときも、寝るときも、ずっと「僕は存在していなかった」を聴いていた。

CDにはイベント優先券もあって、行きたかったのだが、その時の自分は仕事の都合で熊本に住んでおり、東京のイベントに行くことが難しかった。そのことは悔やまれる。

 

この一連のことは「僕は存在していなかった」を聴いた僕は存在したというタイトルの記事に書いた。

 

私はいつかこの「僕は存在していなかった」という曲をライブで聞きたいと強く思った。

 

そしてここから1年半、仕事が猛烈に忙しくなり、ナナニジどころか別の趣味でさえ、まともに楽しめなくなる地獄を見たのだが、それはまた別の話。

 

ナナニジとの出会いから1年半。仕事からエスケープした私は東京にいた。

 

正直ナナニジのことは忘れかけていたのだが、ある日テレビをつけたとき、2度目の衝撃を受けた。

「22/7(ナナブンノニジュウニ)計算中」というバラエティ番組がやっていたのだ。

1年半前に自分が好きになって当時は無名だったであろうアイドルグループが冠番組を持っていたのだ。

しかも斬新だったのが彼女たちがバーチャルのキャラクターとして出演していることだった。

自分が知った時はイラストの絵しかなかったキャラクターが3Dモデリングで動いていた。

 

そこから驚きの連続だった。

 

自分が知った時は8人しかいなかったキャラクターに新メンバーが3人追加されてるし、シングルCDが2枚も発売されてるし、Youtuberとしても活動してるし、さらに定期ライブもやってるし、活動の幅が広くなっていて、正直追いつけなかった。

 

「マジかよ…」というのが最初の感想。

 

そこから、毎週やっているそのバラエティ番組も見始め、知らない曲も聴いて、Youtubeの動画も見始めて…

どんどんとハマり始めていった。

 

好きなキャラクターの絵を描いてネットにアップしたり、ツイッターでナナニジが好きな人と交流も始めた。

 

自分の推し(まあメンバーの中でも一番好きな人)も決まり始めた。

今までアニメ・漫画オタクだったため、現実の人でファンになったのはこれが初めて。

好きなキャラに会いたいと思っても当然、二次元だから会えない。だけどアイドルは違う。会いに行けるのだ。

 

そして、ライブに行ってみたいという思いが生まれた。

 

人生で初めてライブに応募した。

定期ライブとアニバーサリーライブの2つ。

まあ、ライブのチケットって転売とかのニュースをよく見ることから多分当たらないだろうと思ってた。

 

何だろうね。なんかのチカラが働いているんじゃないかと感じたよ。

 

2つとも当たった。

「えっ? こんなに簡単に当たるもんなの?」って思った。恐るべきビギナーズラック。

 

これで私は定期ライブとアニバーサリーライブの両方に行くことができたのだった。

 

まず、最初に2019年8月22日に定期ライブがあった。

事前にツイッターの情報を見て定期ライブ後にファンによる定期会があるというのを知った。オフ会てきなやつ。

まあ、ライブ自体初めてだったのだが、この際オフ会というのも経験してみようと思い参加することにした。

 

ライブ当日。

すごくワクワクしながら会場に向かった。

ツイッターで交流してた人たちとも会えるし、推しの姿も見れるし、もう何もかもが初めてでワクワク。

子供の頃に持っていたけど、大人になっていつしか忘れていた感覚を思い出していた。

 

ライブ会場で出会ったツイッターのフォロワーの人は、それはそれは優しい人たちばかりで、ライブが初めてなのを話したら色々と楽しみ方を教えてくれた。

 

ライブの物販でブロマイドが販売されており、その人たちが何十枚も買っているの見て驚いた。アイドルオタクってこんなことするのかと。さらに推しを教えたら被っているブロマイドを自分にくれた。そんな申し訳ないと思ったけど、「いいよ。いいよ」と気さくに渡してくれた。

なんかこの感じ、いいなって思った。ファン同士の交流って。

自分も今度のライブでブロマイド買って、交換し合えたりしたらなって思えた。

 

さらに物販では新しく発売された4thシングルのCDを買えばライブ後にハイタッチができるとのこと。

絶対に行った方がいいと言われたので、ネットで注文してたんだけど、そこでCD2枚を追加で買った。

これがCDを積む人の心理か…と、アイドル界隈で何十枚もCDを買ってる人を冷ややかな目で見ていた私は、その人たちの気持ちを理解した。あなた達はCDを買っていたんじゃなくて、推しに会う時間を買っていたんだね。今まで冷ややかな目で見てごめんなさい。

 

とまあ物販でCDを買って、ついでにブロマイドもワンセットとナナニジ用のペンライトも買った。

 

いざライブへ入場。

そのライブは座席が決まっており、どの席が当たるかはランダムだったのだが、私は2階の一番最前列という、ライブ全体を見渡せる最高の座席を入手していた。恐ろしいビギナーズラックぱーと2。

 

座席についた私はとりあえずライブ会場を見渡して、ステージの上やら設置されているライトやらをぼーっと観察していた。

隣の席に人が来て「こんにちはー」みたいなノリで話かけたら、まあまあ話が進んだのでツイッターのアカウントを交換しましょって言って自分のプロフィールのQRコードを見せようとした。そしたら、その人が「マジかよ?!」って言った。

えっ? 何が? って思ったけど、まさかのフォロワーさんだった。しかも直前まで会えたらいいですねって話をしていた人。もうびっくり。

ナナニジに関わってから、一体何回びっくりすればいいんだってくらい驚きっぱなし。そういうのが運命的なものを感じる。

 

そしてライブが始まる。

自分の推しのイメージカラーであるオレンジにペンライトの色を変えた。このペンライト、メンバーの色にライトカラーを変更できるのだ。そのペンライトを片手に待機していた。一瞬暗転する会場。静まり返り、みんながその瞬間を待った。

暗闇の中、彼女たちが出てくるのがうっすらと影でわかる。その次の瞬間、曲が始まりライトアップされる。

歓喜にわくファン、踊りだす彼女たち、曲に合わせて動き出すライトの演出。

何より、今までイヤホンで聞いていた曲が大きなスピーカーから爆音で流れだし、波動が体を伝ってくる感覚がたまらなかった。

曲に合わせて声援を送る。声援のルール的なのはわからなかったので、周りの雰囲気に合わせて適当に。推しの名前を叫ぶときは全力でやった。

推しを目で追いながらステージ全体を見渡しメンバーのパフォーマンスを見て、ときどき別のメンバーを目で追っているのに気づいて、いやダメダメと思いもう一度推しの姿を見て、それから1階席の人たちも含めたライブ全体を見渡し楽しんだ。

メンバーのフリートークというかMC時間では、推しがステージを見渡しながら、ときどきファンに手を振っているの見つつ、あれ自分と目があったのではという勘違いをしてはペンライトを振ってみたりとかした。

すべてのパフォーマンスを楽しめた。ただ唯一「僕は存在していなかった」の曲が流れないかな~と思っていて、それが流れなかったのは残念。それでも楽しかった。

 

人生初ライブ。最高に楽しかった。

 

そしてライブ後に待ち受けているハイタッチ会。

自分は2枚CDを購入しているので2回ハイタッチの列に並べる。

メンバーがステージの上で1列に並び、一人一人と片手でハイタッチする。1ラリーくらい言葉が交わせるかどうかのスピード。

それでも彼女たちの手に触れた瞬間、ああ女の子の手って柔らかいなって思った。

アイドルやべぇ。二次元にはできない「触れる」という行為がハンパねぇ。

この時の私は順調に沼にハマっていったのである。

 

ライブの余韻を残しつつ、そのままファン同士の定期会。

私は事前にこの定期会に参加するメンバーをフォローしておき、何度かやりとりをしていた。実際にあった時に話しやすい環境を作っておこうという戦略だ。

定期会の会場に人が集まっていたので多分これだろうと思い特攻。集金をしていたので「音無でーす」と自分のアカウント名を言ってお金を渡したら、「あっ音無さん?○○です」と何人かに声をかけられてテンションが上がった。事前にフォローしておけ作戦がハマった。

 

定期会ではお酒を飲みつつ、今まで書いてきたようなナナニジとの出会いや推しの話などをして楽しんだ。

最後の方で話しかけた人に初めてのライブということや推しの人の話をしたら、ライブ前にあった人たちと同じようにブロマイドをくれた。しかも、その人が持っていた自分の推しの人のを全部。

いや、あまりにも枚数が多くてお金出しますよって言ったのだが、その人は断り「推しの人が持っている方が一番だから」と言った。その言葉は私に響いた。彼は他にもライブの楽しみ方やコールのやり方、ナナニジ界隈のことを教えてくれて、私は彼を勝手に師匠と感じている。

 

そんなこんなで楽しい1日が終わった。

 

そして、その翌日。2019年8月23日。

まだまだ怒涛のナナニジイベントは続いていた。

私は師匠(と勝手に思っている人)に、この日に4thシングル発売イベントがやることを教えてもらっていた。行けるなら行った方がいいと。

計画してなかったから、どうしようかと思ったが後悔しそうな感じだったので無理やり行った。

ここでもCDを購入すればハイタッチができるということで追加購入。CDを買っているのではない。彼女たちとの時間を買っているのだ。問題ない。

 

そしてイベントが始まった。

昨日のライブの余韻がまだある中、登場する彼女たち。そして推しの姿。

ワクワクが止まらない。

 

ただ、ここで神様にもてあそばれてしまう。

 

まず、このイベントの会場なのだが、書店のワンルームで行われて感覚的には100人くらいがはいれるくらいの大きさだった。

事前予約の人は前列の座席コーナーに座れるのだが、当日入場の人はその後ろの立ち見コーナーでトークイベントを見るという形。

私は立ち見コーナーの右側ちょい奥の位置にいた。この位置が重要。

前には3列くらい立ち見の人たちがいて、私はその隙間から彼女たちを見る形。

ただ彼女たちは少し高めの壇上にいるし、見づらい訳ではない。

実際メンバーは見れた。ただ推しがセンターに立っており、ちょうど私と推しの間の位置に背の高めの男性が立っていて、推しだけが見れなかった。

なんでよりによって…と思いながら動ける範囲で推しを見ようとしたのだが上手く見れない。ここで私はじらされた。。。

 

トークイベントが終わった。

悲しきかな…という感情を抱きつつ、その後のハイタッチイベントに移行するため、立ち見コーナーの人たちは一度ルームの外に出るということになった。

 

ここで奇跡が起きた。

私は立ち見コーナーの右側前方に位置している。出口は対角線上の左後方。

立ち見コーナーの人たちが出口に流れ、それに合わせて移動していたら、私はたまたま列の前方にポジションを取れたのだ。

ナナニジメンバーは11人いて、ハイタッチ会は3人、3人、4人の部に分かれて、好きな部に並んでくださいとのこと。

私は推しのいる4人の部に並ぶのだが、それがちょうど自分の前だった。

つまり、かなり最初の方でハイタッチできるということだ。ラッキー。

 

ただ、私は一番最初にはやりたくなかった。だってやり方わからないんだもん。最初の何人かのやり方を見て真似しようと思っていた。

スタッフの人が3列になってくださいと言ったので、すかさず私は列の右側によけた。

そのことにより私は3列の先頭の一番右。3番目にハイタッチをするポジションを獲得した。こういうことに抜かりはない。

そして、ハイタッチ会。

昨日のライブのハイタッチ会とは違い、片手ではなく両手でできるスタイル。しかも長めにできるので一人一人と2ラリーくらいは会話ができる。

さらになんと、推しの人が4人の中で1番最初!

 

ああー神様。

 

1番最初って記憶に残りやすいじゃないですかー。

 

それが推しの人って。

 

ますます好きになっちゃうじゃん。

 

ハイタッチ会では推しの人に、昨日のライブが人生初で楽しかったです。あなたが推しです。頑張てください。みたいなことを言った。

「え~ホントー」って言った彼女の笑顔が今も脳裏に焼き付いている。

 

私はこの日のことをブログに書き残そうと思った。前日のライブの日のことも含めて。

それで人生初のライブに行って平凡な一人の男の人生が変わろうとしているというタイトルでブログを投稿した。

そのブログを始めに、少しずつこのブログでナナニジでの思いを書いていこうと思ってネタを書き溜めていたのだが、それが公開されることはもう無いだろう。

 

その日から次のアニバーサリーライブまで、私のワクワクは止まらなかった。

ナナニジのバラエティ番組を見て、推しがゲスト出演しているラジオを聴いて、配信されるSHOWROOM(アイドルなどがWebで配信している動画サービス)も出来るだけ見た。

それが、なんでたった1か月でここまで心境が変化したのか、自分でも分析するように、この記事を書いている。

 

2019年9月20日

アニバーサリーライブの日が訪れた。待ちに待ったライブの日だ。

とても楽しい日になるはずだった。だけど何故だろう。自分はその日、テンションが上がらなかった。

とてもいい天気で絶好のライブ日和(まあライブは会場内だから天候は関係ないが気持ち的にね)

何も悪いことなんてなかった。

 

もしかしたら、ナナニジファンをやめる決断をしたから、そう思い込んでいるのかもしれないが、そのときはやたらテンションが低かったと思う。

 

他のファンやフォロワーの人が物販のために早めにライブ会場に行っているのをツイッターで見ながら、「結構、早く行くんですね~」みたいなリプをしていた。「自分はギリギリに行こうと思います~」なんて言って。

物販に行かないなら問題ないらしいのだが、前回のライブでブロマイドとかグッズを沢山買おうと思ってたのに行く気になれなかった。

 

嫌な予感がした。

 

結局、自分はギリギリに行った。

その時は、まだ楽しい日になるはずだと思っていた。嫌な予感は気のせいだと。

 

自分がついたころには沢山の人がいて、恐らく物販と思われる列が続いていた。それに並ぶ気にもなれず、とりあえずコンビニを探して飲み物を購入し、10分くらいぼーっとしてたら入場の整列が始まった。

 

その会場のキャパは1100人くらい。整理番号の順番に入場していく。

私は372番目。なかなかいい順番。

 

ライブ会場は立ち見で自分がついた位置がちょうど真ん中の前あたり。ポールがすぐそばにあって寄りかかりながら見れる位置。荷物もそこにかけてラクできる。本当は定期ライブみたいに2階が良かったな~って一瞬思っていたけど、ここはここで絶好ポジションだと思った。恐るべきビギナーズラックぱーと3。

 

そしてライブが始まるのを待っていた。

そのとき私はふと2階席の端の方を見た。2階席はU字型になっており、その端の方はライブ全体が見渡せる最上級絶好ポジションだった。

そこには関係者と思われる人に案内されながら、他のファンとは違うネームプレートの様なものをぶら下げている人が座っていた。

その関係者と思われる人と、そのネームプレートをつけた人たちは互いにおじきしあいながら、「今日はよろしくお願いします」みたいな雰囲気を出していた。

私はナナニジ関連で呼ばれた外部のゲストの人ではないかとそのとき思った。

これはあくまで推測。

 

そしてライブが始まろうとしていた。

定期ライブにはなかったがステージの後ろの方にスクリーンがあり、開始5分前に時計がモニターに映し出された。

いよいよ始まるという雰囲気が出ていた。ワクワクする瞬間だ。

 

だけど、何故か私はワクワクしていなかった。

何だろう。この違和感は。

それの思考を巡らせるためずっと下を向いてた。

ライブが始まると気づいたのはファンの人たちが10秒前からコールをしてからだった。

 

ステージが暗転し、メンバー11人が出てくる。

そして4thシングルの曲が流れだし、後ろのモニターにはPVの映像が流れていた。

定期ライブでは見れなかった演出。

 

最初の曲が始まり、メンバーが踊りだす。

だけど、私は定期ライブのときに感じたワクワクがなかった。

最初の曲はただぼーっと見ていた。せっかく持ってきたペンライトも出さずに。

 

だけど、やっぱりそこはライブ。

段々と楽しくなってきた。やっぱり気のせいだ。楽しまないと!

そう思って3曲目くらいでペンライトをカバンから取り出して、推しのイメージカラーであるオレンジをつけた。

 

定期ライブと同じように推しの姿を目で追うために探し出す。

けど見つけられない。

あれ? と思い、メンバー全員を数えた。10人しかいない。

 

何度も数えなおした。

 

10人しかいない。

 

11人出てきたと思っていたのに10人しかいなかった。推しの姿がなかったのだ。

よく見るとパフォーマンスも一人欠けていた。

 

楽しもうと思った矢先、私は推しの体調不良か何かを心配した。

そのことがよぎってペンライトもどうしていいかわからず、とりあえずテンポに合わせて振っていた。

 

4thシングルとそのカップリング曲がすべて終わり、モニターに映像が流れてメンバーが舞台袖にはけていく。

映像は3rdシングルのイメージPVとそのときのメンバーの活動がまとめられているようなものだった。

 

そして映像が終わり、3rdシングルのパフォーマンスが始まる。

衣装を着替えたメンバーを見て、私はあることを確信した。

 

冒頭のほうで少し触れたがナナニジのメンバーは初期は8人しかおらず、途中で3人の新メンバーが入っている。

そのため3rdまでの表題曲は8人でしかパフォーマンスをしないのだ。

その8人の中に私の推しが含まれている訳だが、そのときは7人しかいなかった。

 

つまり今回のライブに自分の推しは出てこない。

 

それを確信した。

 

だけど、それで悲しんでいては推しにも悪い気がした。

彼女だって出たくてしょうがなかったはずなんだから。

 

私は気持ちを切り替えて、ペンライトの色を他のメンバーの色に変えて、目の前のライブを全力で楽しんで、全力で応援しようと思った。

 

ペンライトを振って他のファンと同じように声を出して楽しんでいたのだが、このときふと、2階席の端の方を再び見た。

大人の人が真剣な顔で彼女たちのパフォーマンスを見ている。椅子に座りじーっと。

反対側の席の人たちもそうだった。

やはり、ファンの人ではなくナナニジ関連の何かの人なのだろうと思い、再びライブを楽しむことに集中した。

 

3rdの曲が終わり、またモニターに映像が流れる。

今度は2ndシングルのイメージPVとメンバー映像。

どうやら、新しい曲から最初の曲に遡っていく演出みたいだ。

2年分の記録を辿っていく

 

ここで私はあることに気づいていた。

PVのない曲は後ろのモニターにこのライブの映像が映し出されている。

まさにメンバーが今やっているパフォーマンスをモニターでも見れたのだ。

そのとき、ライブをセンターで捉えているカメラで映っているペンライトが自分ではないかと気づいた。試しに振ってみると自分の動きと連動して動く。やっぱり自分は真ん中のいい位置にいて、その後ろでカメラが回っているんだと思った。

 

彼女たちはMC一切なしでぶっ続けでパフォーマンスをしていた。

ライブも後半になり、2ndの曲も終わって例のごとく1stシングルのイメージPVとメンバー映像が流れた。

このメンバー映像に映る推しの姿を見て寂しい気持ちがちょっぴりとあふれ出す。

でも、この流れならくるはず。

自分がライブで見たかった「僕は存在していなかった」の曲が。

自分をナナニジファンにしてくれた最初のきっかけの曲。1番好きで最高な曲。

それがライブで見れる。

 

メンバーが出てきた1stのカップリングから始まる。

ライブは1時間半が経とうとしていた。

ここまでノンストップ。

 

そして、始まった。

 

「僕は存在していなかった」

 

自分が一番見たかったものが。

最後に流れる。

 

 

そのとき、推しの姿がそこにあるのを見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体調が悪いとかそういうことがあったんじゃないのか?

何か理由があって出てこれなかったんじゃないのか?

 

そんなことが頭をよぎる中、自分はペンライトの色をオレンジ色に変えた。

推しのパフォーマンスを必死で応援するために。

 

「僕は存在していなかった」が1番好きだった。

その曲で一番好きな推しが出てきてくれた。

 

彼女のパフォーマンスを必死に見ていた。

オレンジのペンライトを振り続けた。

 

そして、曲が2番のサビのときに彼女がセンターに立った。

 

一番好きな曲で一番好きな人がセンターに立ち、私はそれを中央から見ていたのだ。

 

このシーンを私は絶対に忘れない。

こんなに感動することは人生でそうそう訪れない。

 

曲が終わり私は余韻に浸っていた。

目頭が熱くなった。

 

ライブでメンバーがはけていくとき、推しの彼女が一瞬泣いているように見えた。

ずっと今日の日まで練習し続けた。

ファンのために頑張り続けた。

理由はわからないが彼女は他の曲には出てこなかった。

それでもなんとか最後の曲には出てきてくれたのだ。

彼女の悔しさと悲しみがダイレクトに流れ込んできた。

 

そのあと、アンコールが始まった。

まあ1曲やっていないし、ライブにアンコールはつきものだ。

だけど私の中ではもうライブは終わっていた。

 

アンコールがしばらく続く。

そのとき、アニメ映像が流れた。

2020年1月から始まるアニメの新しいティザーPVが流れたのだ。

盛り上がる会場。

そして流れるアニメ映像。

 

そのとき、

 

 

 

終わった。。。

 

 

 

私はそう思った。

アニメ映像を見て、そのときの映像を見て、違和感が繋がったのだ。

ただ、そのときは思考が整理できておらず、言葉にはできなかったけどもう無理だという気持ちに気づいた。

 

ナナニジファンをやめよう。

 

そう決めたのだ。

 

ライブが終わり、帰りの電車の中。

私はツイッターでナナニジファンをやめることを告げた。

そんなことせずにフェードアウトしようかなと思ったけど、ナナニジで繋がったフォロワーの人がたくさんいるのだ。

ここははっきりと告げた方がいいと思った。

 

それからずっと考えた。

なんでこんな気持ちになったかと。

 

まずアニメ映像のクオリティ対する不安が一番先に思いついた。

映像のグラフィックに違和感がある。求めていたものと何かが違う。

実際にライブ会場を出る際にグラフィックに関して酷評している会話がうっすらと聞こえた。

今までYoutubeやらPV映像で流れていたものとは別物が出てきたのだ。

 

これに確信を得たかった自分は、感性はあうけどナナニジを知らない友人にアニメ映像とその前でに流れていた映像を見せてどう思うか聞いた。

「えらくPV抜いたってのが感想」

それが返ってきた言葉だった。

 

アニメファンをやっていると作品をアニメ化により壊されることがある。

原作厨と揶揄されるが、その人たちと同じ気持ちを感じた。

アニメ化をもともと大きな目標にしていたグループなのに、そのアニメ化でナナニジが壊される気がしたのだ。

 

さらに不安は広がる。キャストの発表だ。

11人のグループなのに初期の8人しか声優メンバーがいない。

理由は分からないが新規の3人がいない。

これはシンプルにとらえれば出ないと思った方がいい。

なんで? わからない。

 

そして監督。

盾の勇者の成り上がり」というアニメを制作した監督なのだが、ここにも不安要素がある。

盾の勇者の成り上がり」自体は自分も20話くらいまで視聴したが、感想は妥協して面白いだった。

最初に主人公が虐げられるシーンが多かったのだが、ここはなかなか感情移入が難しいところ。それでも見続けたのだが、最終話まで見れなかった。

まあ、そもそも自分がアニメを見るのに疲れ始めていたのもあって、これは受け取る自分のせいでもある。

 

ただ、この「盾の勇者の成り上がり」というアニメなのだが2期、3期の制作が決まっている。

つまりこの監督にとってはナナニジは仕事の1つでしかないのだ。

実際にアニメ業界がどういうものなのか知っている訳ではないし、監督がすべてではないと思うが、既に2つのアニメを抱えている。

これでナナニジのアニメを成功に導けるのか?

 

この疑問の辿りついたとき、アニバーサリーライブで見た2階席の人たちを思い出した。

他のファンとは違って冷静に見ていたあの人たちを。

これは憶測だが、あれはアニメ関係者じゃないのか?

ナナニジを深く理解し、アニメのクオリティをあげるために彼女たちのライブを見に来たのではないのか?

実際に監督のコメントには「『ライブ感』をキーワードに皆さんと一緒に楽しんでいきたいです」とある。

 

2年間の彼女たちの活動と、それを応援してきたファン。

その感じ取り方の違いを果たして別のアニメの制作を抱えている監督が埋めることができるのか。

クオリティを上げることにこだわり、本来の彼女たちの魅力を壊さないか?

これが怖くて仕方がない。

 

ナナニジにハマった人は、今のところキャラ、声優、曲などが好きになっているのだ。

アニメをやってない時点でアニメからハマっている人はいない。

そんななかバラエティ番組やYoutubeでの活動で作り上げて来たキャラクター。

それをファンである人達が求めているものと、アニメで表現されるものに差異が出るのではないかと思ってしまう。

そういう不安がもともとあった。

 

そんななか現時点でクオリティが低いと思わされるアニメのPVが出てきたとき、時間的な都合もあり、崩壊する気がしてならなくなった。。。

 

さらに不安なのがストーリー。

ナナニジが結成されるまでの物語をやるとのこと。この時点であれ? と思った。てっきりアイドルとして活動している彼女たちが、その活動の中で葛藤する物語が描かれるのかと思っていた。だって「あの日の彼女たち」というYoutubeで流れていた映像では、ある程度、キャラの関係性ができている雰囲気だったから、てっきりそうなのかと。だけど違うらしい。結成までのストーリーでキャラクターの過去の話なども出てきて、その中でキャラの成長や葛藤や関係性が描かれていくものになるとのこと。

 

もともと曲がシリアスな内容だし、シリアスストーリーにはなると予測されていた。

そして、その表現は1歩間違えると危うい。感情移入が難しいのだ。

アイドルアニメで成功したアイマスラブライブはナナニジと違って曲の詩の内容が明るい。夢に向かって突き進むという王道テーマだった。シリアスシーンももちろんあったが、それは深刻なものではないし、キャラ同士の関係性も薄いため素直に楽しめる。ファンがカップリングを考えて二次創作なども捗った。それにこの2つにはスマホゲームという強みもあった。

 

ところがナナニジはこれとは正反対になる気がしてならない。

明確な関係性があって、詩のバックボーンもキツイものがある。

それでも曲調が明るかったため緩和されていた節がある。

だけど、アニメではそれが無視できない。

ダイレクトに彼女たちの苦しみを描かれたとき、自分が耐えられなくなる感じがした。

 

それに加えて話のクール数。

一体何クールやるのかわからないが、シリアス内容でメンバー8人、もしくは11人のキャラにスポットを当てるとなると1クールでは足りない。

現状では滝川みう斎藤ニコルというキャラが主軸にはなると思っているが、そこにスポットを当てすぎると別のキャラが薄くなる。

かと言って全員にスポットを当てると、ますます感情移入が難しい。

アイマスラブライブでやった「彼女たちの物語」とは違って、「滝川みう斎藤ニコルの物語」になったとき、そのアニメが成功するかは未知だ。

 

そして、アニメ放映のタイミング。

2020年は正直に言って、アニメ業界は強いコンテンツが多くなる。

まず1月の時点でラノベ、漫画で人気作がアニメ化する。さらに音楽を通して女の子の成長を描くという点で同じ傾向でバンドリの3期が決定している。バンドリの方は先ほどのアイマスラブライブと同じようにスマホゲームが既に出ておりファンも多い。

ここにナナニジが勝つ強みはどこにあるのか?

さらに、京アニヴァイオレット・エヴァーガーデンエヴァンゲリオンのアニメ映画もあり、俺ガイルやリゼロと言った人気作の2期もあり、アニメファンにとっては供給がかなりあるのが2020年だ。

 

アニメ新規ファンがナナニジというコンテンツに入ってくれるのか。

もし、ここが薄くなると彼女たちは既存のファンで支えていくことになる。

だがその既存のファンが求めているものをアニメでやらなくなったとき、ファンが離れる不安がある。

 

コンテンツとしての広がりが見えない。

それが怖くて仕方ない。

 

自分はアニバーサリーライブの「僕は存在していなかった」を見た瞬間に、このコンテンツのピークが自分にとって訪れたと思ってしまったのだ。

 

だからファンをやめる。

自分の中にとってナナニジという作品が最高のコンテンツとして終わるために。

 

もう作品が壊されるというのを何度も味わっているので味わいたくないのだ。

怖いんだ。アニメが好きで、そこに熱中している身としては、作品が壊れる瞬間が1番怖い。

 

そして何より彼女たちの体調を崩すたびに自分の心が蝕まれる。

正直言ってコンテンツの供給量が多いとずっと思っていた。

アニバーサリーライブで推しが出なかったのもそうだが、メンバーの誰かが体調不良で欠席するイベントが多々あった。

学生として学業をしつつ、ライブのために歌やダンスを練習して、さらにイベントにも参加して、Youtubeのコンテンツにも参加する。

ラジオやWeb配信などもあり、あまりにも多忙なのではないかと思ってしまう。

私はそれが不安で仕方がない。頑張れば頑張るほど彼女たちがどこかでパンクしないかと。

彼女たちが頑張ってる姿から私はその裏を勝手に想像して苦しんでしまう。それが苦しい。

 

ただ、私は彼女たちたちやそれに関わる大人たちを全否定はしたくない。

この自分の感覚や分析が間違っていることを祈っている。

ナナニジはアニメも成功して、どんどん次のステップにいって最高のコンテンツになったんだ!

あのとき離れたお前が間違っていたんだ!!

ざあまみろ!!

 

そうなってくれることを祈っている。

そのとき私の感性が再び彼女たちを欲したら、肩身の狭い思いをしてナナニジファンに戻りたいと思う。